中弁大会と裁判員裁判

2009年10月10日

中弁大会と岡山で初めての裁判員裁判の判決の日が重なった。中弁大会は,例に漏れず,提出議題に関して修正動議がだされ,さらにその動議に質疑がくりかえされるなどそう簡単には終わらなかった。もめたのは,司法修習生の給与を貸与制に来年から移行する予定となっているが,給付制を維持するように政府に働きかけよという趣旨の議題であった。だれもこの趣旨に反対する人はいない。矛先は日弁連に向いていた。なぜもっとストレートに貸与制反対の行動がとれないのかというジレンマなのだ。政権交代で弁護士の閣僚も多くなり,政権に理解者が増えたのではないか。そうであれば,早くそして強力に働きかけるべきであるとの強い表現に修正動議がでたのである。その場で意見も求められた会長ら日弁連執行部からは,今の経済状況のなかでは,新しい政権にもなかなか理解をえられないこと,マスコミに至っては,なぜ法曹資格を得るのに国家がその費用を負担しなければならないのかという程度の反応しか返ってこないとのことである。法曹養成制度全体の取り組みの一環としてセットで提案していかないと理解は得られないという回答であった。しかし,修正動議がとおり,修正された決議が採決された。

きょうは,裁判員裁判の判決の日であった。高検検事長ら検察庁関係者,広島高裁長官ら裁判所関係者が中弁大会への来賓出席でこられていた。しばし控え室で話していたが,この裁判員裁判の話になった。今回の判決については皆さんが落ち着くべきところに落ち着き,内容的にもそれぞれの立場で満足いくものであるとの評価であった。しかし,弁護人の弁論に基本的な法律適用の意見に誤りがあったことに関する話題でひとしきり沸いた。最初の判決であり,その日が中弁連大会と重なり,しかも基本的ミスが弁護人側にあったとは関係者当事者にとっても忘れられないものとなったであろう。

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