私の産まれた町(今では岡山市に合併)に産廃処分場の建設が許可された。前から相談を受けていた事案である。相談に来られる方の一人に中学時代の同級生によく似た人が参加していた。姓から言ってもその同級生と同じ姓であった。聞いてみるとその人の兄になるとか。急に親近感を覚えることになる。
さて,こうした相談はやってみたいとおもう事件でもあり,本音を言えば私の前を通り過ぎて欲しいとおもう事件である。事件は極めて重い。仕事はかなりハードになるだろう。このような事件は,事務所の経費を捻出するのもむつかしい。いつまでに終わるとか目処がたたない。法的な問題ばかりでなく,住民運動のあり方も大きな要素となってくる。だから,できれば触れたくはないと思うのである。
しかし,豊島の産廃問題に関わった。吉永町の産廃問題にも関わった。この事件では最高裁の画期的な判決まで経験した。世界は確実にゴミゼロ(循環型社会)に向かっていて,現にカナダ,ハリファックス市でその現場をみてしまった。そうしたことから関わらざるをえないと思わされる。できれば私の頭の上を通り過ぎて欲しいが,でもやってもみたいと思う複雑さはこうしたことからだ。できれば多くの弁護士と廃棄物問題の本質的なことを考えながら勧めていきたい。