定年を迎えたあとの離婚

2009年11月12日

昨日,久しぶりにご相談にこられた方である。もう20年ぐらいご相談にこられいる。深い悩みをお持ちの方で,そのことが未だ解決されていないことは知っていた。その問題についてなんらかの進展があったのかと思ったが,今度の相談はそのことではなかった。定年となって経済的には心配することのない状態である。しかし,突然に切り出された相談は,離婚をしようと決断したとの話であった。それまでの二人の生活において,互いになんらの絆を感じることなく過ごしてきたことを,思い知らされる出来事があったのだ。しかし,つれあいは,そのことには未だに気づいていない。この年齢で離婚となると離婚後の経済的自立の可能性をきちんとみさだめなければならない。そのことが,そんなに簡単には離婚を決意することはできない。

きょうは,離婚の裁判があった。この事件も夫が既に定年を迎えていて,妻は働いているという状況の事件である。妻から離婚の訴訟である。妻の仕事は世間からみても厳しい仕事である。裁判官からの「厳しい仕事で疲れて帰ってくることもあると思いますが,いたわりの言葉をかけたことがないというのは本当ですか」の問いに,「それは,本当です。私にも家に帰れば犬の散歩もありましたし,,,」と平然と答えるのである。この事案は,妻が働いて経済的に自立していることから,別居して裁判をしている。夫は二人の生活は問題なくやり直せると離婚を拒否しているが,妻は裁判をしながらもやっと精神的に落ち着いた生活を確保できたと感じている。二人の生活を結ぶ絆はなくなっている。それを大切にしなかった結果が出ていると思えるが,夫にはその事実が理解できないでいる。

最近は,こうした相談に遭遇することが多い。

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