政権交代のさざ波

2009年11月16日

政権交代となって,新しい政策がじわじわと生活の現場にその変化が出始めている。きょうは,関係している社会福祉法人の理事会があった。今回の理事会開催の理由は,補正予算の編成であった。新政権になって介護士の報酬を増加させるという予算が組まれて,このための特別補助金が申請によって交付される。介護士の報酬基準が低すぎるという世論があり,介護の現場の充実により,その質をたかめようと言う狙いでその政策の目指すところに基本的に賛同できる。

しかし,施設の運営側としては必ずしも歓迎すべきことではないようである。この給付金が交付されても,その金額は介護士の人件費にしか使えない。介護事業は,介護士だけによって運営されているのではなく,施設のスタッフ全員によって運営されている。このような給付金がでても,介護士だけにその恩恵を与えることは全体のバランスを崩してしまうのである。この資金を受領することは,他の職員の給与についても同様に施設独自でその費用を捻出しなければならないのである。そのための補正予算を組む理事会であったのである。いいと思われる政策が,現場で実施されるとなるといろんな問題が生じてくる。そうしたことが,この分野だけでなく,さまざまな分野でおきてきている。政権の運営の難しさなのであろう。

補正予算のもう一つの理由は,インドネシアからの介護士を目指す研修生の受け入れである。この施設では2名を受け入れることにしている。受け入れのための費用を新たに計上した。3年間の実務研修の後に,日本の介護士としての資格に挑戦することになるようであるが,それにも厳しい現実が待っているようである。まずは,日本でしっかりとした研修ができるように環境を整えるための予算が計上された。国際交流と考えるべきなのか,将来はこうした外国人に介護をお願いせざるをえなくなるのか,,,,,。一方では、就業率を高めるためにこうした分野に日本の雇用をシフトしていこうとの動きもあるが、どのようにこうした政策の整合性があるだろうか。

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