裁判員裁判の他にも目玉が,,,

2009年11月21日

きょうは,裁判員裁判が始まって6ヶ月を経過したと各テレビ局は,そのことを裁判員となった方のインタビューを交えるなどして報道されていた。確かに,司法に国民が参加するという画期的な取り組みが一応の評価を受けながら肯定的に受け止められていることは制度の始まりとしては良かったと思われる。はやく当たり前のことと受け止められて,自然な形での国民の司法参加として定着して欲しいと思う。国民の司法参加は刑事事件ばかりではなく,一定の民事裁判にも導入が検討されるべきはないかと思っている。

昨日,岡山弁護士会主催で地家裁委員会の勉強会が開催された。裁判員裁判が産まれたこの大きな司法改革のなかで,地裁委員会,家裁委員会が各地裁本庁に産まれた。これは一足早く2003年から動いている。この委員会は,地方裁判所や家庭裁判所の運営に国民の声を反映させようという趣旨で設置されたものである。市民から選任された有識者と言われる方々,裁判官,検察官,弁護士で構成されている。いわゆる官僚司法を打破しようというこれも画期的な制度の誕生であった。しかし,現実は,この委員会は意見を聴かなければならない裁判所側が事務局をもち,委員長となり,会議の議長をするという形になっている。委員会が裁判所の広報活動の一部であると思えるような活動実績しかないというのが実情である。しかも,できればあまり開催されたくなく,回数も議論もしない方がいいという雰囲気なのだ。こうした状況は全国どこも同じような状況である。今回の勉強会では,地家裁委員会ができた趣旨を改めて学び,いろぴろと工夫をしながら運営してきている福岡地裁の地裁委員会の委員の方から活動の報告をいただいた。福岡では委員に作家の佐木隆三さんがいたり,なかなかおもしろい議論がなされているようである。裁判員裁判と同じぐらいの司法改革の目玉商品と称すべき制度ではあるが,裁判所側の思惑もあり,あまり知られて無く,さらに裁判所の消極性がこの制度を死なせていると思える。

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