依頼者との接し方

2009年11月25日

きょうは,一日一度も新聞をとりに寄ったほかは事務所にはいらなかった。完全休日である。午前は妻の属している教会の礼拝にいっしょに参加して,午後からは映画を観た。この映画は,タランティーノ監督の全く無条件ではらはらどきどきしながら楽しめる映画であった。3連休の中日という日のせいか,いつも貸し切り状態で観る映画もきょうはかなりの席が埋まっていた。

今日の礼拝の説教で取り上げられていた聖書の箇所はテモテへの手紙(一)5章1節からであった。「老人を叱ってはなりません。むしろ,自分の父親と思って諭しなさい。若い男は兄弟と思い,年老いた婦人は母親と思い,若い女性には常に清らかな心で姉妹と思って諭しなさい」という言葉ではじまる。一瞬,私はこれは依頼者との接し方でも同じように心がけるべきことではないかと思わされた。依頼者のなかには,抱えている問題をすぐに理解できるようにきちんと話ができる人は少ない。問題が理解できないからその出口がみつからず相談にこられるのである。そうだとわかりながらもなかなか本題にはいらず,周辺のことばかり気になって問題の本質にはいってこない人がいる。そんな人にはついいらだちを覚えて,厳しいことを言ったりすることがある。しかし,抱えている問題が解決しないからこそ相談にきているのであり,往々にして社会への適合障害が起きている場合であり,その糸口を自力で見出すことができるようにアドバイスをするのが弁護士の役割でもある。お年寄りのまわりくどい説明にいらだつのではなく「むしろ,自分の父親だと思って諭しなさい」とは,老人の相談者への相談の接し方だと思いながら,説教を聴いていた。こんなことをすぐに感じさせたのは,いまとても難しい依頼者(ある意味とても気の毒な)を抱えているせいだと思う。

p.s
日曜日22日のブログです。

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