28日,「メサイア」コンサートがありでかけた。妻の知人が関わっていた関係で,早くからチケットを買っていた。その人は合唱に加わっていて,演奏はその人の夫の指揮であり,コンサートマスターは私と同業者の奥さんであった。約3時間に及ぶ長時間の演奏である。
「バッハ,ヘンデル,父と母」と中学時代に覚えた。音楽の父はバッハ,音楽の母はヘンデルということである。しかし,バッハは死後1世紀を経てやっと見出され,世間に知られるようになったが,ヘンデルは生前からその後に続く多くの音楽家に影響を与えた。そんなことで「母」といわれるのだろうか。
メサイアは,ハレルヤコーラスの部分が有名で,これからクリスマスシーズンを迎えるとよく聴くようになる。コンサート会場から外にでると家にイルミネーションで外壁を飾っているいる家があった。最近はこうして,この時期になると自宅をイルミネーションで飾っているのを見かけることが多くなった。不景気とはいえ,街もイルミネーションの輝きで,華やかになっていく。「メサイア」はイエスキリストを救世主として迎える喜びの歌である。旧約聖書の預言と,新約聖書のキリストの出来事とを織りなして,キリスト誕生の意味を説いている。クリスマスを迎えるこの時期に歌われることに意味があるのだろう。キリスト教文化の中でこそ,クリスマスシーズンに歌われることに人々の感動を生むものだろう。しかし,キリスト教という宗教色のないところで,クリスマスソングが街に楽しげにあふれている。イルミネーションも意味もなく輝いている。お歳暮シーズンのセールスソングのように。
ドバイの経済危機のニュースが流れ,経済に大きな影響を与えている。まさに砂上の楼閣だったのである。しっかりとした文化に支えられないみかけだけの造られたものの危うさを思う。日本のイルミネーションの広がりにも,こうした文化の根のない危うさを感じる