離婚するなら来年4月から

2006年8月26日

今日は午後から午後8時まで日弁連のライブ研修を受講した。ライブ研修というのは日弁連会館で行われる研修会を衛星中継で全国の弁護士会に同時中継して一斉に受講することが可能な研修会のことである。後日インターネットでも会員専用ホームページでも閲覧できるシステムになっている。司法改革の大きな流れのなかで、あらゆる分野の法制度が大きく変わり、こうした変化に対応するためにひんぱんに研修会が開催される。とても全てを受講することはできない。誤り無い良質な法的サービスが可能なように体制を整えておくのは弁護士の義務である。当分定年退職の予定のない私は、喜んで?参加した。rnrn今日のテーマは二つの分野に関するものであった。一つは刑事裁判に関するものでこの10月から新たに施行される即決裁判制度についての弁護のあり方であり、もう一つは離婚時における厚生年金の分割と財産分与に関する研修であった。即決裁判は、一定の犯罪について自白していること、裁判においても争わないことなどの要件にに合致していれば、弁護人があらかじめ同意したうえで検察官側の請求によって1回でしかもせいぜい40分ぐらいの手続きで手続きを終了する裁判で、その判決は執行猶予つきの判決にかぎるという仕組みの裁判である。比較的軽微な事件について早期に身柄拘束から解放し、裁判期間を短縮できるというメリットがあるとされてこの司法改革のなかで生まれた制度である。しかし、必ず執行猶予がつくことがあらかじめ予測できることから、取り調べのなかで争っていた場合に、捜査官側が認めれば即決裁判で処理してやるから認めた方がいいぞなどという嘘の自白をとることになる危険が大きい。また、いったんこの有罪判決を受けてしまえば事実誤認を理由として控訴することはできなくなり、誤判を放置する結果になる危険がある。また弁護人にとっては短期間に弁護の準備を完了し、それを短時間に効率よくやり遂げなければならない。しかし、考えてみれば、現在のなんでもかんでも身柄を拘束して保釈を認めようとしない裁判所の対応に一番問題があるのであり、全ての事件について必要最小限の身柄拘束を原則とすれば、あえてこのおかしな制度をつくる必要はなかった。根本問題をなおざりにしたこの制度は果たして定着するのか否か、積極的に定着させるように弁護活動をすべきかいなかは悩ましい問題であると思われる。刑事裁判があたかも税金を納めて全て終わるという気軽な制度に陥りかねない問題も含んでいる。rnrnさて、夕方からは離婚時における厚生年金の分割についての研修であった。厚生労働省年金局年金課課長補佐が講師としてまずは概要について説明をした。役人の話すことは発想が我々と異なるせいかなかなか理解しがたい。故意にわからせまいとしているのではないかと疑いたくなる内容であったが、制度の概要についは一応の理解はできた。そのあとのこうした問題を多く取り扱っている弁護士の講義は平易で分かりやすい解説でであった。そこで、最低限の知識としてはっきりしたのは、財産分与を請求する側からの離婚は来年4月以降にすべきであるということだ。但し、これは民間サラリーマンのいわゆる2号被保険者のことであり、専業主婦の3号被保険者は平成20年4月以降となっている。時期を誤ってはならない。先日、ある男性から「妻が来年4月になったら離婚の話を進めようというのですが、なにか意味があるのでしょうか」との質問を受けた。おおありなのだ。妻の側は知識をえながら着々と手順を踏んでいることを自覚すべきだ。こうして、離婚事件はこれからさらに増加していくことになるのだろうか。

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