ボランティアの「味」

2010年1月25日

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土曜日には,関係している2つの奉仕団体の会に出席した。一つは最近のイギリスの経済誌に世界最大でベストの奉仕団体とランク付けされていた団体の所属地区のキャビネット会議であった。会議の為の登録料が必要で,ホテルで弁当を食べて,国際的に決められた議事次第に則って行われる。地域での奉仕活動の評価や今後の取り組み方,組織維持のための方策の検討などを協議するが,世界各地で行われている奉仕活動と繋がっていることを実感させてくれる。そうした規模の大きい団体では奉仕団体としての組織を維持・発展させるための活動も重要な活動のひとつであり,そうしたことから,個別の奉仕活動と距離ができてしまう危険がある。しかし,約3時間,こうした議論と意思決定に関わったことには,いつもの仕事とは違うある種の満足感を与えられる。

その会議が終わったあと,別の奉仕団体のイベントの準備会にでかけた。シンポジュームの開催なのである。パネリスト予定者らが集まって,シンポの内容を詰めていた。これは,こじんまりといつも会っている人との井戸端会議風に話は進んでいく。責任者の人が,コップまで持参してお茶を自宅から準備してくれ,その茶菓子も別の人が持参してくれていた。これは,国際的ネットワークをもつ奉仕団体ではあるが,学生時代のサークル活動のような雰囲気で会は進められる。そして今日は,この会が関わっている野宿者支援の会の活動に関わった。きょう,配食する食事の担当をこの会が引き受けていたからである。カレーをつくり,他のボランティアの人々といっしょに市内2箇所で配食であった。この活動に,ある総合病院の医師2名も参加してくださり,健康相談も併せて行われた。私は,カレー作りから1箇所の配食まで手伝った。
自らの体を動かしての奉仕活動であったが,なにかしらつかえていた責任感のようなものから解放されるような気持ちになった。野宿者として逮捕されて私が担当することになった15年ほど前の依頼者の消息も聞いてみたが,元気ではあるが,野宿生活を続けているようである。

人は,「奉仕」という活動の中に,誰でもなんらかの価値を見出し,そこに喜びを感じることができるのかも知れない。しかし,この冷え込む寒さのなかでおいしそうにカレーを食べてくれた人々は,今の時間,寒々とした夜が少しでも短くなることを考えながら過ごしているに違いない。写真は,カレーをつくる同じ団体のメンバーである。

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