「人形峠ウラン残土の問いかけるもの」

2010年2月19日

いまからもう20年ぐらい前のことであろうか。中弁連大会が岡山で開催されたときに「人形峠ウラン残土の問いかけるもの」と題するシンポジュームを開催した。人形峠は日本ではじめてウランが発掘されたところであるが,もはやその役割は終えていて発掘残土が捨てられていた鳥取県で濃度の高い放射線がでていると問題になっていたのである。結局,これを少しでも人体に影響がないように処理しようとすると誰かがまた新たな被爆をしなければならならないしろものであって,当時もどうしようもないものであることが認識されていた。原発の燃料を製造するその一番はじめの段階のことである。

そのウラン残土が,今度は煉瓦に形を変えて処分されようとしていることが,今週号のアエラに掲載されていた。煉瓦に変えて処分しようとしたが,結局,その危険性から,引き取り手がみつからず,原発のメッカである東海村の方へ野積みされる運命にあるとか記述されていた。記事のコメントは京大原子力研究所の小出先生がなされていた。岡山のシンポジュームにも参加して頂いた方である。20年前から何も変わっていない。高レベル放射性廃棄物の処理・保管施設の建設も目処がない,廃炉の処理も膨大な費用と作業員の被爆の犠牲は避けてとおれない実態は今も変わらない。にも関わらず,あらたな原発の設置に歯止めがかからない。何が温暖化対策なのであろうか。アエラの記事で,あのシンポの担当をしたことを思い出すとともに,20年もなんらの進歩がないことを改めて思い知らされた。

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