先週の金曜日から,きょうまで弁護士バッジをはずしていた。バッジと縁がない日を過ごすのは,ずいぶんと解放感があるものだ。純粋なプライベートな時間を東京でもっていた。次女の結婚式のために上京していたのである。
自分たちの結婚式,披露宴の企画,費用も含めて自分たちでやりきっていた。職場の同僚,先輩,同じ仕事仲間の人たちの暖かい協力で,充実した披露宴,そして二次会へと続いたようだ。本当に多くの人に支えられて仕事し,社会人として生きている様子を見ることができた。花嫁の父というのは寂しいものというのが通り相場である。確かにこみ上げてくるものがある。それは,ぴったりと親の人生の大きな一部であったことが,その一部は他人のものになっていくということなのかもしれない。しかし,いつも依頼者にも説明するように親子の関係は死ぬまで続くのでもので,切っても切れないものなのだ。今までとなんら変わりはない。そう思ってみてもいろいろと複雑な気持ちがこみ上げてくる。
取材の対象者であった小泉元首相,鳩山首相,菅直人大臣,江田参議院議長らなどの政治関係者,ジャーナリストの有田芳生さん,社内の担当番組の関係で,古館さん,小宮さんらからの祝電,ビデオレターなどが届けられ,そのうちの何人かは私も関わりのあった方であった。仕事のなかでもいっしょに関われたところがあったことを思い出し,そのことも嬉しく感じられた。長男もとんぼ返りでロスアンゼルスから参加した。今回の結婚式には85才になる私の父親にもでてもらった。母と違い,健康そのものであった父の,衰えの大きさを認識させられた時でもあった。こうして,この3日間は,今まで生きてきたその歴史を思い,考えさせられた凝縮された時間となった。