1984年5月に初めてアメリカ本土に渡った。日弁連司法制度調査会から,海外商品先物取引制度の調査にでかけたときだ。このとき,ワシントンにあるスミソニアン博物館に立ち寄った。ワシントンからアムトラックに乗ってニューヨークに移動するそのアムトラックに乗るまでの時間に出かけたのである。入館してすぐのところにライト兄弟の飛行機が展示されていた。きっと,今もその場所に展示されているだろう。そして,すぐその側に核巡航ミサイルトマホークが誇らしげに展示されていたのだ。既に日本でも話題になっていたもので,これがあのニュースの物体かと気味の悪い思いをしながら眺めていた。そして,きょうは四半世紀を経過してトマホーク退役のニュースが報道されていた。
オバマ大統領の核廃絶に向けての一つの象徴的な出来事なのかもしれない。飛ぶ夢を実現した人類発の飛行機と核の脅威を誇る最新,最強と言われた人類の破滅の象徴ともいうべき核兵器とが同じ場所にしかも隣り合わせに展示されていたのだ。これは,今も展示されているのだろうか。あるいは今後撤去される予定があるのだろうか。ライト兄弟の飛行機の方は,いつまでも展示されていることは間違いないだろう。