ある日突然に,,,,の事件

2010年2月25日

離婚訴訟の弁論準備手続きのため県外にでていた。離婚の場合の財産分与をどのようにするかが争点となっていて,各人の財産の実態を明らかにする作業が続いている。普通の夫婦であれば,おそらく互いにどれくらいの財産をもっているかぐらいは予測がつくはずである。婚姻費用についてもどのように負担するか当然に互いの収入の実態をみながら話し合って出し合い,補完しあってきていたはずである。そもそも経済基盤を共有することがなければ,婚姻関係自体が破綻しているとも言える。今日の事案も,婚姻関係中には,互いの財産について全くわからず,それゆえ,実質的には婚姻関係は破綻しながらも継続されていた。いや,夫にとってみれば,そのような関係になっているとはよもや予測だにしていなかったのである。そのころ,妻は,夫といっしょにいることに激しいストレスを感じるようになっていたのである。

定年を迎えて第2の人生を送り始める頃,子どもたちも就職,結婚とだんだんと親のもとを離れていく。家族の人間関係が急に夫婦二人だけのものとなる。それまでまぎれていた二人の関係を阻害する要因が一挙に表面化してくる。仕事を辞めて家庭にいることが多くなる夫に激しいストレスを妻が感じるようになる。そして,それまでの人格を無視するような夫の態度が急に許せなくなる。そんななかで,夫にとってみれば突然の離婚要求。今日の事件もそうであるが,別の担当事件も同じようなケースを抱えている。いずれも離婚の請求は妻の方からである。しかし,こうした決断を妻の側からできるのはそれなりに経済的自立が可能な場合に限られる。年金分割などの制度があるが,分割されてもそれだけでは残された少なくなった人生を経済的に守られて生活できることは数少ない。

こんな相談が増えている。

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