会内民主主義

2010年3月1日

今年度,岡山弁護士会の総会副議長の職にあった。副がついているということは何の責任もなく,副議長席に黙って座っていれば足りる役である。今年度も例年通り5月と2月の定期総会,12月の臨時総会の3回であった。先週末に行われた定期総会では,副議長に思わぬ仕事?が舞い込んできて,壇上で動き回らなければならなくなった。

総会の定足数は,会則上,登録会員の過半数となっている。これは,私が岡山弁護士会に入会した当時から同じである。その当時は会員数は90名足らずであり,総会にはほぼ全員が参加していた。総会には出席しなければならないとの意識が誰にもあったのである。出席確認をとるまでもなく,皆さんが集まってきていた。定足数など心配することはなかったのである。もちろん,委任状などということは考えもしていなかった。本人出席があたりまえであったのである。しかし,会員数が280名にもなってくると,必ずしも総会に出席することは当たり前であるとの意識を持っている人ばからりではない。ここのところ何年も定足数の心配をしなければならない状況となってついに前回の総会では途中で定足数を割ってしまい,審議未了となる案件が生まれた。そこで,今回の総会では,総会への委任状出席を認めるという会則改正を行う議題がでたのである。副議長が忙しくなったのは,その議題をめぐって紛糾し,副議長として定足数の確認,議場の閉鎖,挙手の人数の確認等がなされ,その集計の役割を担うことになってしまったからである。

委任状での出席を認めて,定足数を満たそうとしなければならないことは寂しいことである。それぞれの会への帰属意識が希薄になってきたのかもしれない。あるいは,人が多くなり,いろんな方面での活動分野が広がって,特定の日に都合がつきにくいという事情が数多く発生してきたのかもしれない。直接会議に参加して,意見を述べ合い,議論をつくした上で裁決するという民主主義の基本が崩れてきたことは寂しい。委任状出席は認められるようにはなったが,できるかぎり委任状は使用せず,本人出席で定足数は足りるという伝統は守り続けたいものである。

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