また死刑再審か?

2010年4月7日

中国で日本人が覚醒剤犯罪で死刑になったことが報道されていた。そのニュアンスにはこんなにも気軽に死刑執行をする中国政府への批判的な見解が込められている。しかし,日本にも死刑制度がある。EU諸国では死刑は廃止もしくは停止されている刑である。こうした国からみれば,日本のように死刑制度の残っている国は,我々が中国をみているような感覚できっとみているだろう。野蛮で,そして死刑こそが犯罪を抑止することのできる最高の刑であると信じているのである。

そして,死刑の確定している名張毒ぶどう酒事件に関して,最高裁は高裁への再戻しの決定をだした。つまり,間違っていた可能性が高いことを示唆する決定である。やっと,司法の間違いを認め,訂正する姿勢をみせたといっていい。しかし,直接の当事者はどう思っただろうか。日々,死刑執行の恐怖におびえながら生活してきていて,数十年も経過して,もしかすると間違っていたかもしれないという決定が出されようとしているのである。死刑が執行されてなくて本当に良かった。しかし,貴重な人生の時間を踏みにじられた結果を生じている。残念ながらだれも言い訳はできない。いまさら真実が判明してもこの被告人にとってはなんらの意味もない。

またしても死刑台の直前からの復帰である。そしてまた,自白調書が取られた事件でもある。再発防止に何が必要か。そのことが真剣に論議されなくてはならない。そんなに時間を要する必要もない。結論はわかっている。

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