「新学期」の気分

2010年4月20日

新しい年度が始まり,新鮮な気持ちで学校が始まったあのすがすがしさと緊張感の入り混じった新学期の気分を味わうことがなくなって相当な期間を経過している。特に人事移動もない自由業の者にとっては,大きな変化を感じることがない。

しかし,やはりいくぶん違った感覚をもつ季節ではある。裁判所,検察庁は,定期異動の時期である。特に今年度は民事の担当裁判官に大きな異動があった。そうすると,4月から今までの事件の担当裁判官が多く替わっているのである。4月の初め頃から,移動後の初めての裁判官の期日が入ってくる。きょうはそのうちの2つの事件があった。一つは,本日が結審予定となっていた事件で,新しく担当する裁判官には気の毒な事件である。実質的な審理にいっさい立ち会うことがなく,最後の判断だけを任されることになるのである。今まで担当していた裁判官とどのようにその心証が異なっているだろうかと注意深く観察する。裁判官にしてみても,それぞれの弁護士の品定めをしているに違いない。新鮮な感覚を持つと同時に緊張感もある。まさに,新学期を迎えた気持ちなのだ。もう一件は,当方に良い方向で進行していた事件であったが,裁判官の転勤でどのように訴訟指揮に変化がでるかこれまた気になる事件である。少し,おおざっぱな感覚で進行されていたこの事件は,通常どおりに主張,立証を厳格に吟味して,争点整理をしたのちに証拠調べにはいろうとある意味普通の審理の進め方ではあったが,和解の意向にもふれ,具体的解決の方向性も視野にいれながらの訴訟指揮であり,ひとまずは安心した。

事件を見る見方によって,判断が左右されてくる事件は珍しくない。これを,どのようにして,当方の立場でみることにつなげていくか,事件によってはこうしたことを考えながら準備をしていくことは珍しくない。

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