裁判官ばかりでなく,弁護士も,,,。

2010年4月26日

広島で裁判官適格者推薦委員会なるものが開催された。民間の方と弁護士委員とで構成されている。今年度,初めての会議であり,審理案件があった。弁護士から裁判官に任官していく人の適格性を審査して,推薦をするための会議である。

この会議にあがってくる人で,適格でないと思われる人はまずいない。普通に弁護士業務をして一定の経験を積んでいる人であれば,誰でも裁判官の適格はあるはずだと基本的に思っているからだ。今日の審査のなかで,審査対象者の方が話されたことのなかに,ローカルな場所での弁護士業務で得たことは,いろんな世界の人と知り合え,そのつきあいの中で視野が広がったことであると話されたことである。裁判官は,いったん裁判官になればその交際範囲は著しく狭くなる。ほぼお役所のなかだけの人的関係になってしまうはずだ。そんな世界に弁護士から任官して,別の風をふかせることは極めて重要である。私たちは,その必要性を法曹一元などと表現していきた。しかし,視野が広がったというのは,地方での弁護士活動のなかで,ある国際的な奉仕団体のメンバーとなり,その活動のなかで,外科医とか企業の経営者と知り合ったり,幼稚園の親の会の活動をしたことなどが視野を広げることになった経験となり,それがとても貴重であったとの話なのである。そして,きょうは胸にその奉仕団体のバッジと弁護士バッジとを着用していた。私は,その感覚がまずはあまり好きになれない。この場では,まずは弁護士バッジだけで来るべきであろうと思った。そして,その団体での活動が異業種の人々と知り合う機会となって視野が広がったとの話には,なんと狭い世界で生きている人かと思った。弁護士といえどもそんなには広い世界と関わっているのではないことを考えさせられた。この種の団体が実は狭い社会なのだ。

とはいえ,そうした法曹関係者以外の人たちとのふれあいを新鮮に感じながら仕事をしてきたことは,貴重な体験である。まだ若い。これからもその感覚を忘れないで,裁判所の中に違った風を吹かしてもらえる力を持って欲しいと思った次第である。

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