自殺を強いる社会

2010年5月16日

「強いられる死〜自殺者3万人超の実相〜」の著者,フリージャーナリスト斎藤貴男さんらを迎えての弁護士会の「脅かされる生存権〜年間3万人が自殺する社会を考える」集会が開催された。

斎藤さんの話のなかで考えさせられたのは,自殺の原因を追及していけば,そこに現在の社会の問題点を見出すことができると言ったことだ。1998年から昨年まで12年間続けて自殺者が3万人を超えている。この自殺者が多いということだけでなく,1997年には23000人程度の自殺者だったのに1998年から急激に3万人代に突入する増加を示し,その状態がなおも続いているということだ。この時代の変化に何が起きたのか,そのことをしっかりと考える必要があるということであった。そして,我々にできることは,事件の現場でこうした問題にであったときに事件処理のことだけで終わらせることなく,その自殺の原因を起こしている社会の矛盾に声をあげてもらいたいと言われていたことである。

さらに,自殺ということが,遠く離れた問題ではなく,大変に身近な問題であるということを実感させられた。会場からの質問にも,親族の自殺の事実をどうすれば乗り越えられるのかという質問があった。集会後の実行委員会の打ち上げ懇親会においても,会員の妹の自殺とか,叔母の自殺とか,自分の身近な人がその体験をしている事実がわかり,さらには受任事件に関して,誰もがこうした問題に直面していることが次々と発言されていた。一人の自殺者の周辺には4人ぐらいの親族がいる。それだけでも12万人の自殺者遺族が生まれている。さらに職場など社会において接してきた人ととなればさらに多くの自殺遺族の関係者がいる。決して他人事ではないのである。日頃,問題を抱えている人との接触が我々の仕事である。自殺リスクの高い人を対象に仕事をしていると言っても過言ではない。こうした問題に対応することの意味,その対処の方法などもっともっと関心をもっておかなければならない問題であると思う。

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