戸籍制度

2010年6月20日

ニューヨークの裁判所で相続関係の手続きをしている事件で,今週月曜日に口頭弁論手続きがあり,その依頼者の方が無事手続きを終え帰国されて,事務所にご挨拶にこられた。その手続きが終了直後に,現地で担当の弁護士からメールですべて手続きはうまくいったとの確信にみちた連絡をいただいた。しかし,その直後から,その後の手続きについて頻繁に問い合わせが続いたりしていた。

相続関係の証明が戸籍謄本でなされることがまず理解の妨げとなっているようである。アメリカではこのように人の一生をほぼ確実に国が把握できるようなシステムはない。出生を証明できるのは,医師の証明書であったりする。戸籍謄本を示してこれがどのようなシステムで作成され,どのように補完されて,いかなる意味があるのかこれを理解してもらわなければならない。さらに人の名前の難しさである。漢字で書かれていれば,複数の読み方が可能となる。これをアルファベットでかけば同一性は壊れてしまう。このことの説明もなかなか理解してもらえず,全く別人としての認識をされてしまう。人生の重要な場面ではたいていは日本では戸籍謄本が必要となってくる。今回,古い戸籍を調べることになった。明治以前からの記載がでてくるから不思議なものである。生まれてすぐになくなった幼児の記録もきちんと残されている。アメリカの人からみればこうした記録がきちんと残されているのは驚異と写っていたようだ。

今回の事件は,日系人が相続人無くしてアメリカで死亡し,日本での親族を捜し当て,その財産の相続を実現するというもので,そうしたことがビジネスとして成り立っているからおもしろいものだ。移民が多いアメリカならではのビジネスであろう。今回,担当した弁護士は,ニューヨークの一等地に事務所を構えていた。依頼者の話によると弁護士の執務室の正面にエンパイアステイツビルがしっかりと見えていたローケーションであったとか。そして,この尋問に立ち会った弁護士は5名であったとか。随分の費用をかけての取り組みである。先日訪れたロサンゼルスの住宅街には多くの法律事務所が散見された。日本での医院のようなものである。そうした事務所があるかと思えば,今回のような事務所もある。まさに法化社会の側面を表しているといえようか。

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