東から西へ

2010年7月8日

今日の法廷は午前中は神戸地方裁判所姫路支部,午後1番に岡山地裁,それを終えて倉敷簡易裁判所での調停と東から西への移動であった。しかし,それぞれの内容は,進展が少ない長期化している事件ばかりであった。姫路支部の事件は相手方に弁護士がついていない本人訴訟となっている。この種の事件は,事件解決に向けて弁護士がカウンセリングをしながら解決の方向性を依頼者となって,共に考えて解決策を見出してあげるということが必要である。相手方は,ますます混迷の窮地に立ち至っているようで,訴訟のルールを理解していないことと重なって出口が見いだせないでいる。そのしつこい粘着質の性格がそのまま応訴態度にでていて,訴訟が進展しない。当方の依頼者は,そうした相手方の姿を客観的に見られるようになっていて,冷静に訴訟の進展に身を任せるという落ち着きをもってきていることは救いであるが,見込みに反して訴訟の進展がなかなか進まない。手続き中にも,当方に対してエキサイトしてくる。こういうタイプの人は,気をつけなければいけない。離婚手続きにおいて弁護士が逆恨みを買う事件が最近もおきたばかりである。

岡山地裁の事件は,今年の4月で担当裁判官の交代があった。前の裁判官の時は,いささか強引な訴訟指揮ではあったが,当方に有利と思える進行となっていて,あわよくば3月までに判決かと思わせた。しかし,そこまでは乱暴な進行はできず,やむなく次の裁判官に交替となった。前とは全く異なった訴訟指揮である。しかし,オーソドックスといえばそう評価できるだろうか。少々,論理を通り越して,結果的妥当性を早期に得ようとしたと思われる前の裁判官ほど期待はできないがきちんと進めていけば,正当に評価される方ではないかと今日のところでは感じた。しかし,これも予想に反して思わぬ長期線となってしまった事件である。

倉敷簡易裁判所の事件は,1年前になくなった同期の弁護士が担当していた事件である。なくなる1週間ほど前に連絡をいただいてやって欲しいと引き継いだ事件である。調停事件で,すでに彼が調停案まで作成していた事件であった。すぐに終わるのかと思っていたが,もう私が担当することになって1年になる。今日も調停成立までには至らなかった。調停成立を阻害する事情は,この時間の経過でほぼ解決してきた。あと少しである。それにしても調停委員もよく付き合って頂いている。それぞれが長くなっている事件ではあるが,どこかで終わりがくるのであり,必ず結末が訪れる。それに向けて今日の一日が無駄ではなく,解決に必要な期日として意味のあることとなったことを信じている。

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