高裁事件2件

2010年7月9日

岡山には岡山県だけを管轄する高裁支部がある。最高裁にとっては,こんな非効率なことは認めたくなく,いつも廃止のやり玉にあがってくるしろものだ。少なくとも快くおもわれていないのである。本庁の広島高裁までは1時間もあったら行くことができる。大阪高裁までも1時間30分とかからない。高裁支部があるということは時間の問題ではない。いや,この特殊性は岡山の県民性を表している?

きょうは3件の高裁事件があった。1件は広島高裁岡山支部事件である。負け筋の事件ではあるが1審敗訴し,控訴している。1審の審理がいかにも乱暴であったことは確かで,2審で慎重に審理されている。証人尋問も行う旨,裁判官は予定を言っていた。裁判はこの公正な過程が絶対的に必要であると思っている。これがなければどんな結果がでても納得ができない。結論がどうなるにせよ,この手続きが必要である。

午後から大阪高裁であった。1審は勝訴事案であるから,この事件では被控訴人である。今日が初回であったが,直ちに結審し,判決期日が指定された。まずは負けることはない。しかし,嫌な思いがあった。担当の裁判長はつい最近まで岡山で裁判長として仕事をしていた裁判官であった。実は,この裁判官には苦い思い出がある。1審で勝訴した。なかなか微妙な裁判であったが,判決内容はいかにもすっきりとした内容で,当方は納得できるものであった。控訴されて,やはり実質1回で結審となった。しかし,証拠調べもせずに1審の判決と全く逆の判決となったのである。これは目も当てられない。1審で負けても控訴審がある。しかし,事実審としては最終の2審で負けてしまえばどうしようもないのである。その時の裁判長が今日の裁判長だったのである。少し和んだのは,今日の裁判部にはこの裁判担当ではないが,これまたつい最近まで岡山にいらした別の裁判官がいた。とても丁寧で,信頼のできる裁判官であった。

3件目は広島高裁岡山支部での判決であった。1審被告の事件であったが,1審は原告の本訴請求を棄却,当方が反訴を起こしていたがこれも棄却という事件で,実質的に被告が勝訴と評価される事件であった。これには原告が控訴した。当方からは控訴しないで相手方請求を棄却するという早期の確定を望んだ。やはり実質1回で結審,判決までの間に和解手続きがなされるという展開であった。そして判決の結論は,相手方の控訴棄却であり,勝訴ということではあるが内容は意外なものであった。判断内容は,相手方の請求も当方の請求も全額それぞれ認め,相殺すれば当方の請求権が残るという判断である。これだと当方から控訴しておけば,当方の請求だけが生きるというものとなったはずである。高裁事件は恐いということから慎重になりすぎた事案であったといえようか。

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