実りのあったような,なかったような,,,

2010年10月18日

思い切ったドイツへの旅行から帰って2週間である。ローカル電車にのり,SLにのり,フェリーにのり,特急電車にも乗り,長距離バスにも乗って移動をしたあの旅の興奮は,いまなお余韻を残している。しかし,帰ってからの最初の1週間はすぐさま出張続きであり,東京にも2回もでかけることになってしまった。そして次のこの1週間は手持ち事件についていくつもの書面を裁判所に提出したり,交渉案件についてもいろいろと進展があり,きょうはいくぶんの疲労感を覚えている。

訴訟しかないと準備にはいっていた事件について,急転直下,基本的に合意ができた案件がある。ひとまずは,解決に向かったところで安堵した。さらに,同種の事件で別の案件に関して,相手方から示談の提示がなされた。これも具体的に訴訟の準備をしている最中の事案ではあるが,訴訟になるかどうかはさらに条件を詰めてみなければならない。この事件は,訴訟になることの意義もあると思える事件であり,代理人としても示談で終わって楽になりたい気持ちとあくまでも法廷で戦いたいという気持ちが絡み合っている。どっちになるかは依頼者の気持ち次第であり,その成り行きに任せることになる。

ニューヨークの相続などを扱う裁判所での依頼事件ももう3年以上担当している。もちろん現地での手続きは現地の弁護士に依頼しているのであるが,日本の相続法についての見解などの鑑定意見を提出するなどの関与をしている事件である。これもやっと最終段階を迎え,決定がでそうだとの連絡がはいってきた。当方にとっていい決定がでるであろうとの連絡ではあったが,その後の処理を考えなければならないことになり,依頼者にも連絡をとったりした。この種の事件は,日本でも長期化することがあるが,かなりシンプルな事件であったが,既に3年以上も経過しているのだから,アメリカの制度においても結構時間がかかるものだ。気持ちのうえでは,これも解決の目処がつき,終結がみえてきて一安心というところ。

ロサンゼルスで日本の人が経営する会社の事件,これも依頼を受けている案件が2件あり,示談交渉が決裂して訴訟に移行することになった。もう1件は新たに交渉を始めたが,いまのところ反応がなく,これも訴訟手続きになるか。2件が一度に動き始めた。
交通事故の示談交渉事件の依頼があった。相手の対応がクレーマー的だということなので,これからの交渉が大変そうである。売り掛け代金2件の回収案件を着手した。いろいろと複雑そうでそう簡単には回収できそうにない。

火曜日には,小鳥が丘団地の土壌汚染問題に関して,会社側の証人尋問を行った。当時,新聞報道にされて公の事実となっていたことでさえ,会社側の当時の事件処理担当者だった証人は,そのような事実は知らなかったという証言であった。一社員として,あくまでも会社を守ろうとして,頑なに事実を語ろうとしない証言態度には,かつての公害裁判でどの裁判においても企業利益を優先する態度をとってきたことが思い起こされ,「企業は悪者」という図式に変わることはないことを思い知らされた。

いろいろとあった1週間であった。でもこれが,日常なんだと覚悟しておかなければならない。

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