騙された人は,また騙される

2010年10月28日

最近,話題の未公開株のもうけ話の事件である。損害賠償請求訴訟を提起しているが,未公開株を売った人,さらに証券会社を名乗ってその株が有望であると信じさせた人,その会社の転換社債を高く買い取ると投資事業組合を名乗って近寄ってきた人,どの範囲の人がグルなのかその実態がなかなか把握できない。しかし,それらの人に騙されてほぼ全財産をもっていかれてしまっていた。民事訴訟とともに刑事告訴もし,全国的な捜査にも着手されていた。

そんなおり,またこの被害者に接触し,被害にあったこの社債を高額に買い取ると言ってきたのである。依頼者は,一瞬,我を忘れてこの話にのった。警察への告訴も不要と証券を警察から取り戻して,初めてまたまた騙されたと気づく。一度,騙されて負い目をもった依頼者は,それを取り戻すとの話にはおそらく藁をも思いで乗ってしまった。警察への告訴もとり下げたのである。その直後,騙されたと気づいたのである。一度騙されると,その損害をどこかで回復しようとする微妙な心理状態が働き,客観的にみればこんなバカなありえない話であるが,ついのってしまうという被害者心理でまたまた被害にあってしまうということである。騙された人は2度騙されるというほんとうの話。

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