「秋田の津谷です」彼の話の始まりはこの言葉で始まる。誰もが彼のことを「秋田の津谷」さんと呼び,そう認識している。その彼が,突然に,刺殺された。言葉もない。
理不尽な事件だ。警察を呼んだのに守れなかった。どう表現したらいいのか。あってはならないことがおきた。
津谷さんとの出会いは,昭和59年5月2日がはじまりだったのではないか。その日,ワシントンに向けて羽田から飛び立ったのだ。海外先物取引被害の実態を調査すべく,日弁連の訪米調査に参加し,1週間の間,部屋を共にしたことから,その後の消費者問題での活動でも共になるときが多かった。明後日,東京で開催される消費者法学会にも参加の予定ではなかったろうか。そこで,彼の顔を見るのも楽しみにしていた。あの声とあの顔がこの世に今はないとは,,,,,。