真相は

2010年11月7日

津谷さんの事件は、最初の警察発表から真実が隠されていた。現場に到着した警察の数、何よりも犯人を誤認していたこと、そのことが今回の死の結果を及ぼすことに直接つながっていたこと、殺人事件になるかもしれない危険の予想される現場になんらの防護の体制のないまま向かい、保護しなければならない人を防護できなかったことなどが、後になって明らかにされてきている。真実が明らかにされなければ何も始まらない。目の前で、しかも保護を求めた警察官の失態が原因で夫が殺された奥さんの収まらない理不尽と思う気持ちは、おそらく悔しさとなって、なかなか整理はつかないだろう。

我々の周辺の仲間たちも、この突然の出来事に気持ちの整理もつかないまま、動いている。事件の一報を聞いてとりあえず仙台から秋田まで車をとばしてでかけ、情報を発信くれた人、すぐに家族の人のサポートに回った人、とりあえず秋田まで関西から出かけた人、なにがあっても葬儀だけはと予定を調整した人、逆に葬儀よりもいち早く彼の姿をみたいと秋田に出向いた人、さまざまである。明日は、消費者法学会が明治大学で開催される。彼との関係のあった多くの人が参加することになっている。たぶん、この参加はとりやめ、秋田にむかった人も多いはずだ。私は、とりあえず、弔電を打ち、予定通り学会に出席する。しかし、どんなふうに今の気持ちを伝えたらいいのかいろいろと考えたが、とてもむなしく感じてしまい、例文を引用するだけのものとなってしまった。

犯人、警察が許せないという意見はこれからも大きくなっていくだろう。その許せないという気持ちが、犯人を死刑でなければという見解を勢いづかせる。このように冷静にものを見つめるのは少々、冷酷かもしれない。しかし、どこかで許し、真実が明確にされて、このような事件が2度とおきない、いや起こしてはならない体制を反省のもとに作り上げていくことが必要である。

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