「100歳のお医者さん」の死

2010年11月14日

前に「100歳のお医者さん」のことについてこのブログに書いたことがある。その方が亡くなられ、昨夜の通夜に参列した。103歳であった。なにかと病気がちであった私も小さい頃からよく診てもらっていた。スクーターに乗って往診にもきてくれていた。80歳も後半にはいった両親もつい最近まで主治医として診てもらっていた。さすがに、最近は診察から離れられていて、両親は後を継いでいる息子さんのお医者さんに診てもらっている。近所の人の中には3代続けてこのお医者さんに係っている人も珍しくはなかった。

お医者さんである息子さんの話でも、男性で100歳を超えた人を看取ったことはなかったと、医師として父がどのような最期を迎えるのか興味があったと言われていた。死の数日前まで、食欲もあり、お元気であったようだが、急に食欲がおちてきたようであった。健康管理には自分でも良く気を使っていたらしく、睡眠が浅いと感じると自分で薬を処方して、精神安定剤、睡眠剤などを飲んでいたとのこと。しかし、点滴は前から嫌がっていて、延命のための点滴はしないでくれと言っていたとのこと。食事ができなくなったので点滴をしようとすると、はっきりとこれを拒否し、「ジ、エンド」と言ったそうだ。十分に人生を満喫し、充実した日々を過ごされ、地域の人々とも交流を続けられ、それを家族の人たちがやさしく見守りながら迎えた死。通夜の会場にも穏やかな空気が流れていた。まだそこにその人がいるがごとく皆がその場でごく自然に話をし、その人となりを語りあっていた。ここまで、長生きをし、生涯、現役であり続けるような人生は、誰でもまねのできることではない。

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