話題が重なり,つい

2010年11月17日

大阪の懐かしい知人弁護士から電話があった。豊田商事事件処理をめぐって交流があり,それ以来,日弁連の活動などでときおりお会いすることあった弁護士である。物静かではあるが,一途に課題をこなす仕事ぶりは,とても信頼感のある弁護士である。用件は,豊田商事事件の被害者であった方の娘さんの法律相談を受けて欲しいとの依頼であった。しかし,電話の第一声は,津谷さんの事件のことであった。互いによく知っている関係であったので,大変なことが起きてしまったねと言いながら互いにそれ以上の言葉が出てこない。しばらく沈黙と成った後に用件にはいった。そしてそのあと,岡山の友人弁護士が,ある用件で突然に事務所に訪ねてきた。開口一番,「津谷さんは大変なことがおきたね。親しかったんでしょう?」と問われた。豊田商事事件以来のことだからと普通に答えていたところ,突然に胸にこみあげるものがあり,涙をこらえることとなった。自分でもその突然の感情の高まりは予期できないことであった。ちょっと沈黙をせざるをえない時間があったが,すぐに用件にはいり,すぐに日常に戻った。

実は,豊田商事被害者岡山弁護団は未だに存在している。弁護団解散のための記念行事をしようと幾ばくかの費用と,報酬などの未分配のお金が弁護団会計に残っていてこの処理を必要としているのである。これがあるかぎり正式に弁護団は解散できない。そこで,つい最近,豊田商事被害者岡山弁護団の解散のための会議の日程をいれたところであった。思えばこの事件は多くの思い出を残してくれた事件である。そして,多くの友人を与えてくれた事件でもある。1985年7月1日に豊田商事が破産宣告を受けているから,もう25年以上を経過したことになる。しかし,いろんな機会に「豊田商事事件」が話題になる。そのたびにこの事件でえられた多くのことを出来事とともに思い起こすことになる。

そんなことのある「豊田商事」つながりの出来事が,1日のなかで続いたからか,つい,感情が高ぶったのかも知れない。

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