昨年は,司法修習担当からはずれていた。というより完全にもう卒業できたと思っていた。今年の打診依頼があり,どうしても足らなくなるようであれば,受けても結構ですと応えていた。どういう計算か,突然に修習委員会からの辞令が届き,担当することになった。今日から,1年間岡山で40数名の修習生が修習を始めることになった。4つの班に分かれていて,そのうちの1班が,今日から弁護修習になり,私の事務所にも1名が配属となったのだ。
今日の歓迎懇親会でも会長からの話に触れられていたが,修習生の給費制の維持をめぐってなにかと話題になり,あまり知られていなかった「司法修習生」についてかなり知られるようになったのは事実である。もう1年間,給費制が極めて危うい政治状況のなか維持されるようになった。決して,給費制が認められたことではなく,当然に来年からは貸与制になるということが前提である。これからの1年かけて,貸与制ではなく給費制でなければならないという世論を確実に形成していかなければならない。
そのために,今の司法修習生の動向は,常に国民の目にさらされている状況となっていると思わなければならない。いや,法曹全体としてそのあり方が問われていることであり,検察庁,裁判官,弁護士のそれぞれが,そのあるべき姿への批判と,司法の役割とが問われ続けることでもあることを認識しなければならない。司法とは何かを考え,法曹自身が自らを見つめ直す絶好の機会であるとの自覚が必要である。