もすぐ,この11月に修習を終えた人たちが入会してくる。岡山弁護士会にも20名を超える人が一挙に入会してくる予定である。これで,会員数は300名を超える結果となる。私が入会したときは,私一人だけの入会であり,弁護士の数は90名ぐらいであった。かるく3倍以上となっている。この大量入会で,弁護士の就職先がなかなかみつからず,世間と同じ就職難となっている。
この現象を,短絡的に司法改革の誤りであるとする意見が日弁連のなかででていて,司法試験合格者数を1000人とか1500人に直ちに減少させるべきだとの意見をまとめようとする動きとなっている。1990年から11回にわたり司法改革宣言を決議しながら司法改革をすすめてきた。劇的な改革を成し遂げた司法改革であった。しかし,解決すべき課題は多く残されている。この合格者数とその需要のアンバランスが生じているのも事実である。そこをどのように解決すべきなのか。描いてきた司法の将来像をどう実現していくのか。弁護士の数が多くなれば食えなくなるとの業界保護論だけでは,我々の使命は果たせない。
きょうは,こうした弁護士人口論について,会内で意見交換する場があった。それにしても,司法改革は何を目指してなされたのか,その戦いの歴史,成果について知らない会員も多数いる。単に弁護士の数を増加したのが司法改革だと思っている人もいる。改めて,その意義と経過・歴史をきちんと学び,そこから今後のあり方を真正面から考えてみるべきではないかともどかしい思いをしながら,論議に加わっていた。