お役所でいえば,きょうは御用納めの日である。かつては,午前中に大掃除,片づけをすませ,午後は乾杯して仕事を終えるという光景があった。しかし,普通と変わらぬ状況で仕事をし,いつものような時間帯で今年の業務を終えた。
最後の最後,東京簡裁での事件に控訴の手続きをした。勝訴であることは疑っていなかった。当初は裁判官が相手方に訴えの取り下げさえ働きかけていた。証拠関係からみても原告である相手方の立証ではとうてい証明されたとはいえないと確信があった。文書の真正なる成立が争点であったが,判決にも当方の自筆ではなさそうだと認定をしたものの,一連の書類への印鑑が同一のものと認めていたのである。問題は,その印鑑が当方のものではないと主張しているのであるから,当方の印鑑によるものとの立証がないかぎり真正なる文書と認定しようがない。他人の印鑑をいくら何枚も押されて同一性があるといっても当方のものでないかぎり効力はない。当たり前の話である。しかし,それだけの理由で当方の敗訴となっていた。こんな判決をギリギリにだすとはなんということか。即,控訴である。とても嫌な気分を味わった。これで,東京まで2回は出頭しなければならない事件となった。
そして,夕方は御津産廃事件に関して,住民組織の役員会があった。却下となった差し止め仮処分事件に関してどのように争っていくか協議したのである。却下の理由にはとうてい納得ができず,その判断手法には住民の人のみならず,弁護団にも怒りの声があがっていた。それだけに抗告もしたいという声もかなりあったが,じっくりと本訴で追いつめていくということに集中することになった。いろいろなことを考えるとそれが一番だと思われるが,この結論は年末年始の間に抗告の準備に追われることになるかもしれないと考えていた私にとっては,そのことから解放されたという安堵の気持ちである。