第2次菅内閣で元参議院議長の江田さんが法務大臣に就任した。江田さんにとってはもっとも適任の大臣である。科技庁長官は似合わなかった。参議院の議長は重要な役職であったかもしれないが,実はそんなところに収まっていて欲しくはなかった。裁判官として,弁護士として,議員になっても法曹である立場を忘れないで発信し続けていたことからすれば,法務大臣がもっとも適任であり,今の法務省の抱えている問題を適切な方向で対応されるだろう。
法務大臣になればただちに死刑についてのコメントを求められる。執行するか否かについてはノーコメントのはずである。死刑制度があり,その法の執行者である以上,執行の署名を拒絶するということは明言できない。しかし,死刑制度について議論がある以上,対応が求められる。これも今動きのある重要な課題である。早急に検察組織の信頼を取り戻すことも必要である。捜査の可視化もすぐさま対応が求められている。法曹養成制度についても関わりがでてくる。失言のない,実のある実績を残すことのできる法務大臣として大いに期待したい。
ちなみに,最高裁長官は江田さんと同じ岡山出身で江田さんの高校の後輩になる。いいコンビが誕生した。個人的には最高検検事長,広島高裁長官は研修所同期の同じクラスだった人である。だからどうだということではないが,知っている人が今の司法のなかで重要な役割を担っていることを嬉しく思うし,司法の動きを非常に親しく感じながら眺めている。厚労大臣は,研修所同期であり,長女が秘書をしている。実は,この人にも法務大臣をして欲しいと密かに考えていた。