昨夜,「正義の行方」?というハリソンフォード主演の映画がテレビで放映されていた。メキシコと国境を接している地域での出入国の管理,警備の現場がその映画の設定である。アメリカは,不法滞在者の子であってもアメリカで生まれればアメリカの国籍を取得できる。正規であれ,不法であれ,アメリカで生まれればアメリカ人として歓迎されるのである。もともと移民で建国され,ネイティブの人たちと混合して成長してきたアメリカである。そんな歴史からか移民に対する感覚がずいぶんと島国の日本とは違うことを感じさせられた。そんな国では,アメリカにわたり,アメリカで財をなしても,亡くなったときに相続人がアメリカ国内にはいないことも珍しくはない。そのような場合,相続人をリサーチして,本国でみつけた相続人に相続ができるように法的手続きをして,報酬を得るというビジネスが存在する。実は,戦前にアメリカに渡った日本人が,アメリカで成功し,アメリカには相続人がなく死亡し,相続人のリサーチ会社から相続手続きの連絡を突然に受けた事件を担当した。このリサーチ会社の情報によるとアジアのしかも日本のケースは珍しいという。こんなことがビジネスとして行われていること自体が,「移民」が特殊なことではなく,当たり前のこととして受け止めている社会であることを意味しているように思える。
この事件は,約4年前に相談を受けて,処理してきた。相談の会った当時に既にニューヨークの裁判所で審理が始まっていたのだから,争訟性のない単純な事件であったにも関わらず,4年もかかっているのであるから,ずいぶんとのんびりした進行であった。先週,やっと現地の弁護士から手続きを完了したとの連絡があった。カリフォルニア(ロサンゼルス)では会社の登記簿謄本一つ交付を受けるだけでも1ヶ月以上の時間が必要であったり,訴訟社会と言われるアメリカの制度にもいろいろと問題がありそうである。