もはや後戻りはない。

2011年2月4日

エジプトでムバラク大統領の退陣を求めて連日,大規模なデモが発生している。カイロ中心部のタハリール広場では,ムバラク大統領の退陣を求める反政府デモ隊に大統領支持派が発砲するなどして、多数の死傷者が出ているようである。ピラミッドなど古代文明の遺跡のある国として,安定していると考えていたところが突如の無政府状態の「革命」騒ぎである。

1989年のベルリンの壁崩壊の出来事に匹敵する事件であると評論している人がいた。しかし,ベルリンの壁は,暴力的な対立なくして崩壊した。人々の喜びのなかで崩れ,その事実を壁をつくった側も認めざるをえなかったのである。ライプチヒのニコライ教会での集会を取り囲んだ戦車が人々の手にろうそくをもっての祈りのデモに退却していったことは,壁崩壊の決定的な道筋を示した。エジプトでの人々の意思は既に明解である。これを力でねじ伏せようとすることはもはや無理である。そのデモに対抗するデモを金の力で作ってみても,この大きな歴史の流れを止めることはできない。この大きなうねりをつくったのは,インターネットであったと言われている。短時間に大勢の人々に情報が伝わり,その情報を共有し合える人々が行動を起こし,うねりとなって歴史を変えている。今,再び,非暴力による歴史の転換の歴史に学ぶ情報が,多くの人に広がって欲しいと思う。この流れは,決して後戻りをすることはない。

このニュースを聞いていて,一番に思ったのは,学生運動の華やかだった我々の学生時代にインターネットがあったなら,運動の形態は大きく違っていたのではないかということである。大学の掲示板,ビラ,集会のハンドマイクによる広報などが情報の共有の道具であったのだ。一定の意思ある人々に対する情報の力はとてつもなく大きい。

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