日弁連の消費者問題対策委員長の津谷弁護士の追悼シンポジュームがあった。全国各地の弁護士会を電話回線でつなぐライブ中継がなされたので参加した。津谷さんの功績を顧みることと,この事件の真相を明らかにして今後の事件再発を防ぐことの契機とするというのがシンポジュームの趣旨であった。
弁護士会では,明日から会員室に入室するためには入り口のドアに設置している電子ロックを暗証番号で解除してからでないと入れなくなる。ロビーには監視カメラも設置されている。最近,しつこく脅迫的な電話を繰り返しかけてきている人がいて,危害を加えられるかもしれない危険な行動をとることが予想される人がいるのである。この人は当事務所にも関係のあった人である。直接には脅迫はないが,あちこちに弁護士を殺すなどと言っているのである。そんなこともあり,事務所のドアはいつも施錠することにしている。そして,いくつかの防具を準備しているのである。入り口ドアカメラつきインターホンを設置し,安全が確認されるまでは鍵を開けないようにしている。そして,もしもの場合の防具も用意している。全く使われることがないにこしたことはない。
津谷さんとは1984年に米国に先物取引制度の調査に出かけたときにご一緒した。1週間の旅の間,同室で過ごしたのだ。その旅のときに,驚いたことの一つが,ニューヨークの街が意外と汚かったことと治安の悪さであった。ワシントンからアムトラックでセントラルステーションに降りたときにはホームに浮浪者やいかにも薬の中毒患者のような人がうろうろしていた。そしてお土産店で入り口に鍵が掛けられていて,なかから安全を確認してからドアを開けていたことである。あのとき,アメリカは大変な国だなと思ったが,いまやあのときの驚きの事実が当事務所で現に起こっていることだ。恐ろしい世の中になったものである。