安全?

2011年3月23日

福島第一原発をめぐる公式コメントはいずれも「安全」「人体にただちに影響を及ぼすものではない」との評価である。しかし、かなり正確な情報と分析能力を有するアメリカはいち早く、日本に問題解決のための援助と自国民を80キロ圏外への待避を指示している。放射線によってただちに障害がおきるようであればこれは大変な量である。この基準が安全を意味するものでないことは当然である。規制値を数倍、あるいは数百倍と超えていても「安全、安全」といっている。それならば、なんのための規制値なのだろうか。

食品や原乳が汚染されているということは、既に大気、土壌の放射能汚染がすすんでいるということであり、その食物からの摂取だけでなく、環境全体からの摂取の危険も考えなければならない。でもそうすると、かなりの範囲において放射能汚染にさらされていることになる。いまさら危険と言ってしまえば大きなパニックになる。

温泉にはいっても、飛行機にのっても放射線を浴びることになる。これらとの比較をしながら安全であることをアピールしている。CTスキャン一度分だとか、ニューヨーク往復と同レベルだとかという論議である。しかし、放射線が体にいいのではなく、そのような危険を冒しながら我々は生活しているのであって、あえて無意味な放射線負荷を負う必要はさらさらない。原発を作ったときから、この結果は予測されていた。日本で最初にウランが発掘された人形峠では、その微量であるが故に閉鎖となり、その採取残土でさえ、危険であるとして岡山県はその搬入を断った。今回の汚染レベルはそのレベルを大きく超えているのである。目に見えない、匂いもない不気味なものとの戦いである。残土が捨てられてい竹やぶのようになっていたところに放射線計測器をもって歩いていたら、その測定値が高まったことを知らせる音が頻繁になっていたあの不気味さを思い出されている。

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