悪徳商法の種に

2011年4月7日

悪徳商法は、どんなことでもすぐにその種にする。未公開株の売買という詐欺商法で、とれるだけとり、もはやもう出すべきものはないところまできていたときにこの震災だった。すぐさま、「私の会社の取締役がこの震災で亡くなったので、役員の席があいた。○○万円だせば取締役になってもらっていい」などと甘い言葉をかけられ、いよいよ最後のお金をだした。上場されるという説明のあった日が近づき、会社に電話をしたところ、既に連絡はつかなくなっていた。そこで、はじめてだまされたことに気づいたわけである。

震災後の混乱のなかにおいてさえ、美談や日本人の自制的で礼儀正しい態度に感動させられたという報道がたくさんなされていた。しかし、一方において、この混乱に乗じて、金庫が破られたり、レジからお金が抜き取られたり、恐喝があったりと事件がないわけではない。こうして、市場の混乱を理由とする投資話も持ちかけられ、被害にあうこともある。美談が生まれる一方で、悪者はどこにでもいる。被害者をさらにターゲットにして稼ごうという者がいるし、この震災を利用して、悪徳商法で稼ごうという人々がいる。さっそく、きょうはこの種の相談があった。悪徳商法は決して「悪徳商法である」と名乗ることがないから、しっかりと用心しておくべきだ。なんでもないことに心を動かされやすい状況は揃っている。

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