未公開株詐欺

2011年4月8日

きょう1日で未公開株被害にあった3名の人の事件処理、相談を受けた。この3人の被害総額は2億円を超える。ひとりの人の相談は、調べてみると既に口座が凍結されていて、被害回復のための手続きが進行中であった。おそらくは配当原資になる金額はわずかのものであろう。それ以外に交渉する相手はまったく不明である。電話だけでこんなにも人を信用させて、巨額の金をださせるテクニックもたいしたものだ。

あとの2人の件は、既に相談を受けていたものである。未公開株の売買に関するもので、購入後にさらに第三者を装った者がその何倍もの金額で買い戻しをするので、別の未公開株を購入してほしいともちかけ、さらに高額の被害にあった事件である。いわゆる2次被害である。普通のときであれば、このような話には決してのることはないと思われる人である。しかし、いったん騙されたかもしれず、多大な被害が現実化しようとしているときに、なんとかそれを元に戻したいという気持ちになる。そこで、だれでも詐欺とわかるような手口でもそれに賭けるような気持ちになって、極めて不合理な判断をしてしまうのが、人の経済的心理である。まさに先日の沖縄での研究会で講演のあった「プロスペクト理論」である。とりあえず、もしかしていまだ残額があるかもしれない口座凍結の手続きをファックスでしてみた。そのうちの1件から連絡があり、どうやら送金したお金がいくらかは残っているようである。これをきっかけに、この人の被害回復が少しでもできればいいが、、、、。

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