天災と人災と

2011年4月13日

昨日から、東北地方を中心に余震といわれる強い地震が続いている。地震、津波はまさに天災である。その天災さえもその存在を前提とした事前の対策、準備で被害を少なくすることができる。万全の対策であったのかどうか、その検証をしっかりとしていくことが、これからの被害の防止に役立つはずである。天災は、そうした想像力を超えたところで発生する。地震、津波での被害はまだあきらめもつくかもしれない。

原発事故は、まさに人災である。人が作ったものである。危険性が明確に指摘されてきていたものである。ひとたび事故になれば、今回のような事態になることはわかっていた。しかも、その被害は、人類の生存に関わる重大なものとなりかねない。福島第一原発は廃炉となるようであるが、その廃炉の作業も数十年を必要とし、多くの人が被爆をしていかなければ作業はすすまない。とてつもない膨大な放射線物質が生まれている。その処理を安全にやれるだけの人類の能力は未だない。福島原発を中心とした一定の範囲はもはや人の住めない死の土地となってしまう。この事故は、まさに人がおこした人災である。いま、原発を巨大マーケットとしている国、企業は懸命にこの事故をなんとか納め、再びその市場で利益をあげることを企んでいる。もし、そうであるならば、安全に放射性物質を処理できる方法を確立してからにしてほしい。命を削りながら、事故の現場で非人間的な作業に従事している人々によってやっと、いまの解決の先がみられない安定が得られている。おそろしいことである。

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