今年も岡山法科大学院で消費者法の講義を担当している。今年は、受講生が多く、最後の試験の採点と評価作業が大変になりそうである。さらに、関連の科目の先生が実務家の話を聞くのは参考になると言われて、講義に参加されることになった。これも実務家は実務家としての経験と感覚で講義を進めればいいと思うものの学者の方の参加は少しばかり緊張である。
この先生とは、思いのほか接点が多いことが知らされた。この先生の研究者としての先生が正田?先生であったことを知らされたのだ。まだまだ消費者法という分野が確立されていないころ、消費者の立場で法解釈を考える視点からの研究活動をされていた。この先生とは、生前になんどかお会いする機会があり、日弁連のセミナーに参加してお話をお聞きしたこともあった。皇室ともご縁のあるあの正田家に縁故のあるかたである。その先生の薫陶を受けられた先生の聴講であることがわかり、余計に気恥ずかしい思いである。さらに、お話をお伺いしていると、私が大学1年生のときにプロゼミナールを担当していただいた木元錦也先生ともご縁がある方だとのことがわかった。私にとって、この木元先生はとても印象深い先生であった。渡辺洋三先生の「法というものの考え方」という本を題材に議論を進めていくというゼミであったが、社会における法とは何かを深く考えさせられた時間であった。そして、時には新宿の思い出横町に連れて行ってもらったこともあった。そんな先生のお話を突然に伺うことになり、懐かしくもあり、法を見つめる基本を教わったあの40年前に突然にタイムスリップしてしまった。