ワイズメンズクラブの例会であった。ワイズメンズクラブは、「賢い」クラブではなく、Y,sメンズクラブであり、YMCAの活動を支援する世界的な奉仕団体である。きょうは医師であり、メンバーの一人が自分の体験を通じて、YMCAのことについてスピーチがあった。「イエスキリストの愛と奉仕の生き方に学び」行動するという原則の基本的な考え方を、日々、医師として命と向き合って生活してきた経験を通じての考えさせられる話であった。
この命のことを大震災を体験しているいまほど考えさせられる日々はない。今日も紹介されていたが、あさのあつこさんの「あらゆるものがむきだしになった。人間の高貴さも愚劣さも、優しさも姑息さも、仮面を剥ぎ取られ、さらけだされた。」という感覚はそのとおりだ。そして「被災地に今必要なのは言葉ではない。物資であり人材であり情報だ。けれどまもなく本物の言葉が必要となってくる」。「試されているのだと思う」。今の我々の状況を深く見つめた言葉だと思う。
被災地の元気な表情をみていると本当に新しいものがつくりだされようとしていることを感じる。大きな価値感の転換が生まれている。命の大切さを誰よりも深く知り得た人々によるすばらしい心の通った街作り、新しい人間関係、それには過去の反省と未来への深い洞察もあるだろう。今日のスピーチは、医師としてみつめてきた命の現場で、その命が技術の進歩によって逆に見捨てられている現実があることも話されていた。
考えさせられ、希望も感じることのできる話であった。