あやしい放射線教育

2011年5月15日

福島県(?)のある小学校で放射線に関する出前講座が行われたとのニュースが流れていた。放射線測定器「はかるくん」をつかっての授業である。日常生活のあちこちに自然放射線の存在を教えるという内容である。この「はかるくん」と聞いて、この出前授業の目的がピンときた。十年以上前のことであるが、原子力発電を推進するグループ(原子力開発機構だかなんだか)が、このはかるくんを一定期間貸与して、身の回りの放射線をはかってみてくださいというキャンペーンをしていたことがある。念のために申し込みをしてみたが、見事にはずれた。これは、放射線は特別なものではなく、我々の周辺に自然に存在するものだと体験させて、原発アレルギーを弱めようとするものであった。

今日のニュースは、この出前講座を評価するコメントがでていた。事実を知らせて判断する力をつけるのに適切、必要な授業だというのである。この授業が無批判に導入されていくなら、自然にある放射線は恐れることはなく、いちいち土壌が放射線に汚染されていても警戒なく遊べばいいというように慣らされてしまう危険がある。この出前講座に使われているはかるくんの正体をしっかりと見極める必要がある。放射線の危険な実態と併せての授業でなければ、とんでもない認識を子供たちに教え込むことになりはしないかと心配になると同時にはかるくんの背後にある思惑が見えてぞっとした。

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