事件の依頼は、不思議なご縁から

2011年10月27日

事件の依頼は、ほとんど何かの縁でくる。飛び込みで相談にやってくることはほとんどない。ドラマチックな例では、詐欺で刑事告訴をし、約1年後ぐらいに被告訴人が逮捕された。その人は、逮捕されたときは既におなかが大きく、出産を控えていたが、勾留、起訴、裁判を受ける中で出産した。そんなことがあったが、なぜかその被告人の母親は、私を頼ってその後も相談にくることがあって債務整理などをてがけた。そしてそれから18年後、その逮捕されたときに生まれた子供が祖母である被告人の母親とともに相談にきたのである。もちろん、私がその人の母親を告訴の手続きをした弁護士であることは十分に知ってのことであった。詐欺事件もいろいろと思い出のあった特殊な事件であっただけに関係者とこのようなことで出会うことになるとは思ってもみなかったことである。

さて、今日の打ち合わせのあった事件は、10年ほど前に翻る。私が新聞の法律相談コーナーに後見制度についてコラムを書いていた。たまたまそれを見ていた人が、身寄りのない知人の面倒をみていて、その方の財産管理に困っていたところであり、この後見制度の利用がいいと思い、私のところに相談にこられた。後見の申し立てをして後見人に選任され、なんとかその方の面倒をみるには困らない状態になった。ところが、この被後見人が最近なくなられて、その方の相続財産の処理が必要となってその相談にこられたのである。たまたま、私が担当した法律相談コーナーの記事がきっかけで後見人の選任についての相談があり、それでおしまいと思っていたら、10年の経過後にまたお目にかかることになったのである。

新しい相談者とは、こうした不思議なつながりで事件を担当することになり、また新しいつながりが始まることになる。事務所では、日々がこうしたことの連続だと思うと不思議な気持ちになる。

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