一つ安心、不安がまた

2006年7月14日

同級生と接見室で会うのはつらい。もう少しで逮捕から2回目の勾留期限がくる。どうやら、処分はうまく釈放につながるようである。そんな状況を本人に伝えるために今日接見した。私からはその見込みについてははっきりとは伝えなかったが、希望をもっていいという感触は理解したと思う。透明な遮蔽版があることを除けば普段と変わらぬ雰囲気で話ができた。ひとつ安心だ。彼がでてきたら、遮蔽版のないところで大いに話したいと思った。rnrnしかし、またまた不安なことがおきた。やはり同級生の破産の相談だった。5年ほど前に同窓会で言葉を交わしていた。なかなか恰幅がよく、でも語り口調は学校時代と変わらず、丁寧なやさしい感じで説得力のある話し方であった。しかし、今日会った彼は、別人かと思うほど痩せて体型は普通となっていて、髪は白く、その目は自信なくうつろであった。恥ずかしいとなんども言いながら、彼の歩んできた過去のできごとについて話した。なぜこのようになったのか、なぜノンバンクに手をだすことになったのか、どうしてそれを止めることができなかったか、そのことを恥ずかしいという言葉を連発しながら説明した。自分ではその原因をしっかりと理解していたのである。彼の口から「負け組、勝ち組」の言葉がでた。人生をそんな言葉で振り分けようとしている今の社会のあり方そのものが問題であるとも思った。弱者が安心して暮らせる社会、誰でもがその人の持つ能力をそれぞれの個性のなかで生かしながら送れる人生であるべきである。決していい加減な人生を送った訳では無い彼が、負け組という烙印の人生ではなく、経済的には苦しかったがよい人生であったと思える基盤が再び作れることを願った。今回の相談による処理がそのためのお手伝いだと思っている。

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