宅地を購入してその土地上に住宅をローンを使って住宅を建築したところ、その土地の売買契約は所有者本人が関与してなく、無効であるとの主張され、建物の収去の請求がきたと言う事件を2年近くも争ってきたが本日和解で解決した。rnrn大手の住宅建築会社から土地の紹介を受けた。その土地の購入を決め、その契約は宅地建物取引主任者のいる2社の不動産会社に任せ、その手続きは司法書士にまかせた。それぞれのプロに任せたが、とんでもない詐欺師がその間にはいっていて、結果的に契約が無効であり、建物を収去せよとの今回の裁判に至った。法的には当方には分が悪く、判決になれば敗訴することが予想された。rnrn本人にしてみれば、自分のどこが悪いのか、悪くない自分が保護されない法律がおかしいとの主張を繰り返した。そのとおりである。当方は全くの善意(法的には知らないことの意)ではないか、その善意が保護されない結果がでるのであれば、法もしくはその解釈がおかしいと強くし主張した。しかし、裁判官からも私からも動産には善意取得があるが、不動産には善意取得はないことを説明したが、納得してもらえない。そこで、和解手続きに仲介した不動産会社と所有権移転手続きを担当した司法書士に本件裁判で当方が負ければ彼らに今度はプロとしての注意義務違反で責任を問うことになると本件訴訟への参加を促した。そして、和解手続きのなか、彼らが解決資金の一部を負担して本件土地の所有を当方側が確保する和解成立となったのである。rnrnしかし、本人はまずは不動産について善意取得のないことを法の不備だといい、建物取引主任者と司法書士がその道のプロとして素人である本人に対して全面的に責任を負うべきであることの主張を続けた。和解の段階に至って、今回解決の為のお金を支払って確実に処理されるということを誰が保証してくれるのか、裁判官が保証するのか、弁護士が保証するのか、保証することを明確に和解調書に記載して欲しいと言い出した。和解条項に記載される代理人としての弁護士の口座に振り込んで問題がおきたらどうするのか、なぜ和解調書だと信頼しなければならないのかと疑いの目は限りなく広がっていく。問題が発生して司法書士、不動産会社がその責任として解決金を負担し、そのことを裁判所の調書に残して解決するのだからこれ以上確実なものはない。これも信じられないとなるとどうしようもない。我々は司法への信頼は当然であると思っているが、一生に一度の重要な資産の取得に関わる問題であり、そこで全てを失いかねない問題に直面し、司法さえも信頼できなくなって疑心暗鬼となっている依頼者の気持ちも理解しなければならない。その依頼者が中学校の社会の先生であったことから、つい私は社会の仕組みが理解できない、非常識な人と非難してしまったが、依頼者にとってみれば一生の買い物を無くしかねない状況となっていたのだから、その心情は充分に理解してあげなければならなかったのであろう。司法が、最高裁が「人権の砦」としての信頼をえられることが民主主義社会の「砦」なのだから。
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- カルト被害を考える会 に 田所眞紀 より
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裁判所も信じられなくなった人
2006年7月3日
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