裁判員裁判(模擬)始まる

2006年6月30日

裁判員裁判21年開始をにらんで一部の事件で公判前整理手続きが始まっている。裁判が効率よく審理され、短期間に判決に至ることができるようにするために、裁判が始まる前に裁判官、検察官、弁護人で争点を整理し、争いのない事実、証拠関係を整理し、審理計画をあらかじめたてる制度だ。岡山ではまだこの決定がなされた事件は1件のみである。しかし、もともと裁判が始まるまでは裁判官は起訴状しかみてはならず、予断を持つことがあってはならないという起訴状一本主義が刑事裁判の大原則である。しかし、公判前整理手続きで争点の概略を知り、証拠の内容についてもあらかじめ知ることになる。大原則に反しない運用をどのように確保していくかが公判前整理手続きをめぐっては大きな対立点となっている。rnrn公判前整理手続きから裁判員裁判まで一貫して手続きをして、あらかじめ問題点を探り円滑な裁判員制度の導入となるように法曹三者で実際の法廷を使い、模擬裁判をやってみることになった。既に公判前整理手続きを終え、今日は第1回目の公判手続きであった。実際の事件の資料に一部手を加えた資料に基づいて、本物の検察官、弁護士、裁判官が筋書きのないドラマを演じていくわけである。公判前整理手続きをめぐっては検察官と弁護側が激しく対立し、模擬裁判自体が中止となりかねない状況となった。参加している裁判員はそれぞれの機関が選任して確保したのであるが、裁判員裁判が始まる前に裁判から制度の主旨の説明、審議のあり方などを説明する機会もあった。今日は、証人の迫真の演技もあり、裁判官も自ら質問をするなど真剣さがでていた。あと2回の公判を経て判決となる。rnrn今日の公判で感じたのは、検察官、弁護士はまだまだ専門用語で手続きを進めていて、裁判員には非常に堅苦しく感じたのではないかということだ。言葉遣い、用語の丁寧な使用、もっとビジュアルな説明などを積極的に検討する必要があることを感じた。裁判員制度が始まるまでには我々も十分に勉強し、一般のかたに判りやすい裁判となるようもっと研鑽、準備を重ねていくことの必要性を感じた。まだまだ裁判員にはなりたくないなどという意見が多いのが現実である。司法への国民参加がやっと実現したのであり、これを良いものに是非とも発展させていきたいものである。

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