岡山大学の通りに面している我が家からは,学生の動きで季節の変わり目を敏感に感じとることができる。袴姿の女子学生やスーツできめた学生がたくさんうろついていたと思えば卒業式であり,その後は不動産屋さんの店のあたりに親に連れられた新入生たちがきていたり,引っ越しが近辺で続く。そして,先日は入学式であった。入学式にでる学生たちはみていてどこか違う。卒業式を迎えようとしている顔は無条件にはじけている。はなやぎそのものである。しかし,入学式を迎える人たちにはまだ幼さが残り,うれしさにもはにかみをこめているような雰囲気である。私も法科大学院の新入生たちとの懇談会に出席して,その希望を胸に秘めた若さのようなエネルギーを感じた。rnrn私にとっては,今年はある意味,節目の年である。60歳の誕生日を迎える年であるからである。現実にこの日が近づいてくると実は今,何となく力がわいてきているのである。何をこれからしていくべきなのか,なにができるだろうかと考えているとまだまだできることはいっぱいあるし,やらなければならないことも残されていると感じるのである。ここのところ,刑事事件で重い気持ちにならされる事件が続いている。弁護人としてできうるだけのことはしているが被告人にとっては厳しい現実が突きつけられる結果となっているからだ。しかし,信頼のある限り,私もできうることをしていかなければならないと思っている。法科大学院の講義も始まった。これは毎週必ずやってくる日程だ。その日の講義が終わればすぐに次の講義のことを考えなければならない。日常業務の合間に,伝えたいこと,学んで欲しいことをどのように表現していくか,なかなかこれをまとめるには考えがまとまらない。しかし,毎週月曜日の夜までに仕上げなければならない。自分の仕事を振り返りながらも,その経験を最大限こうした講義にもいかしたいし,具体的事件を通じても力としていきたいと思っている。rnrn子どもたちが誕生日を祝ってやろうと集まりを企画してくれた。節目であることを知らされたできごとであるが,これも嬉しい。また,思いがけないことから,私のこのブログを出版する企画を進めることになった。ある意味私の今までの人生をふりかえることになるのであろうし,また私が次の世代に伝えたいと思っていることを内容とするものになるだろう。秋頃に出版予定である。こうしたことも節目を迎えた私に力を与えてくれているのかもしれない。とにかく,今はなんとなく新入生のようにわき出てくる「よろこび」を感じている。しかし,こんな気持ちも最近のややこしい事件に関して裁判所に対して「書面は連休明けに提出します」と言って,当面の困難さから逃げている安心感から生まれているだけかもしれない。実は連休が怖い。
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- カルト被害を考える会 に 田所眞紀 より
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