朝日新聞阪神支局襲撃事件から20年

2007年4月2日

今日,朝日新聞阪神支局の記者と会った。20年前におきた阪神支局襲撃事件に関しての取材であった。しかし,あれからもう20年も経過したのだ。私が40歳の誕生日を迎えたばかりのときであった。そして,岡山で霊感商法対策弁護団をたちあげたばかりのときでもあった。rnrn当時,壺や多宝塔を高額な価格で買わされるという被害が多発しており,統一協会の関連団体に対して,霊感商法の被害回復の交渉をしてきていた。阪神支局襲撃事件の直後には,交渉にきた担当者から「先生,嫌な事件がおきましたね。先生も気をつけてくださいよ」などと不気味な言葉を浴びせられたりした。そしてそれはやがて私の名前を騙る激しい業務妨害事件へと発展していった。言論を力でねじ伏せようとしたのである。この事件は,岡山弁護士会が業務妨害事件として告発し,マスコミにも大きく報道されてやっと解決した。そしてその2年後,今度はオウム真理教からオウムを批判した私の発言がサンデー毎日に掲載されたことから,この発言を撤回しろとの圧力を受けることになった。当然のことを当然のこととして発言することを止めさせようとする,誠に卑怯なやり方であった。rnrnそして,20年後,私たちは発言する自由が保障されている世の中になったと言えるだろうか。今日の取材の意図はこのあたりにあったようだ。私はますます暗い状況がおきている実感をそのまま伝えた。しかし,司法に身を置く者として,当たり前のことが当たり前に発言できる世の中でなければならないと考えるが,そのことがますます困難になりつつある嫌な世の中になってきている。奇しくも今日の夜に私が後援会長を務める県議会議員候補の個人演説会があり,応援にでかけたが,江田五月参議院議員も同じようなことを言われていた。憲法改正が具体性をもって語られるようになり,教育基本法が変わり,国歌,国旗が強制され,共謀罪,ゲートキーパー法が国会での議論の遡上にあがってきつつある。老後の不安は増すばかりである。格差社会は現実として目の前にある。いい方向にいつ転換できるのだろうか。この統一地方選挙結果が未来を占う。

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