「フラット化する世界」

2007年3月23日

弁護士会のなかの各委員会は年度末を迎えて総会とか研修会とか次年度に向けての取り組みが次々となされている。きょうは消費者被害救済センターの総会があり,今年度の活動報告がなされ,金融商品取引法の研究会があった。そのあと講師を囲んでの懇親会にでて帰ってきた。rnrn法改正がすさまじい。学生時代に学んだ基本的な考え方が大きく変わり,その基本構造が変わった分野もあり,新しい動きについていくのが大変である。そうした動きの大きいのが商法,会社法などの経済法分野である。基本原則そのものが変わり,つまりその法によって守ろうとしていた原則そのものが変わっていくのである。今日の研究会も、証券取引法が金融商品取引法と装いを変えて新登場したものだ。投資詐欺などを取り締まり可能対象とし,ホリエモンの登場を歓迎しない法制度を確立したものといえる。同時に経済原則は,いまやグローバルな制度間競争の結果でさだまっていくという傾向にある。「フラット化する世界」(トーマス・フリードマン)なのである。こうした動きのなかで,どのような視点で消費者の利益を守っていけるのか,考えがまとまらず,混乱するばかりである。きょうは、ライブドア事件に関して宮内もホリエモンに続き実刑判決であったとか。あれほどの事件であったからには、真摯な反省がなければ実刑はやむを得ない。しかし、司法も含め、冷静な法的判断以上に社会の経済原則の変化に過剰に反応している結果であるとも言える。今回のこの証券取引法の改正においても刑事罰が一挙に倍に加重されている規定もある。法は世界経済の動向と無縁ではありえないが、法改正がそのときどきの社会感情に押し流されて本質をはずれたものとなってはならないし、裁判という法の適用場面は冷静に判断されなければならない。

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