先週水曜日が提出期限となっていた準備書面があった。準備書面作成のための打ち合わせとその資料の確保は既に終えていた。あとはそれらを整理,検討して準備書面の作成を私がすれば完成できるだけになっていた。しかし,事案が複雑であり,当方の問題点を正確に理解しきっていない状況であって簡単に筆が進まない。いや机に向かってこの書面作成作業に気分的にはいれないのである。先週の日曜日にじっくりと記録読みをして期日までにまにあわせようとしたが,そうはいかなかった。気分は焦るがかりでストレスとなる。ここで,「老人力」か正直に裁判所に間に合わないが明日の月曜日までには提出しますと連絡をいれた。それだけでずいぶん気分的にすっきりとした。そして今日はこの記録読みと書面作成をした。明日には、きちんと書面を提出したい。rnrn最初から記録を読み直すことによって訴訟提起することになったときの気持ち,何を問題点としていたかなど依頼者の気持ちを理解することができる。そうして相手方の主張を読み,どのように主張を整理すれば裁判官に当方の主張を理解してもらえるかなど方針が明確となる。そこまで進めばあとは一気に書面作成ができる。この作業を終えてほっとしている。明日は気分良く事務所にでることができる。もっとも,この事件では相手方はしょっちゅう提出期限を守らず,裁判期日直前とか,当日に提出してきたり,間に合わないと平然と期日を延ばしたりする。若い弁護士なのに「老人力」だけは十分に身につけている。rnrnもっとも,民事訴訟法の改正される前までは,準備書面は当日法廷で提出されることが多く,相手方は内容もすぐにはチェックできないため「追って書面で認否する」などと次回期日まで平然と延ばすことも珍しくはなかった。法廷が始まると当事者同士で書面の交換をする光景がよくみかけた。そして次回になればまたまた当日に書面の提出がなされ,審理計画もたてにくいことがよくあった。今では互いにファックスで事前に書面をやりとりして裁判官も期日までにはそれを読んで審理計画を立てながら進めていくことになっている。その意味でずいぶんとスピードアップされている。それにしても法廷で貫禄のある弁護士が「追って,書面で」などと答弁してそれが通っていたのんびりとした雰囲気は今の裁判所には原則として存在しないことになっている。弁護士になりたてのころはあのように落ち着いた風格のある弁護士になりたいなどと思ったものでした。
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メタ情報
準備書面提出期限
2007年3月18日
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