新しい留置施設見学

2007年3月3日

元の岡山西警察署が岡山県警本部伊福町庁舎の名前で,新しい留置施設を中心とする施設として約7億2000万円の事業費でリニューアルされた。女性専用,少年専用区域に区分された施設となっていて,女性18人,少年男性18人の収容が可能で,全部で26室,52人が収容定員となっている。rnrn新しい施設なので,いままでの施設と比べると確かにソフトであり,明るい色調にしていた。職員の説明では,留置場は冷暖房完備であると自慢していた。取調室は24室ある。この取調室が4階に集中してあるのだから1室の広さはしれている。狭いコンクリートの部屋のなかで中には窓さえない部屋も多くあり,この中での調べの圧迫感は相当なものであろう。一見してはわからないが留置場の各部屋の天井には監視用カメラが仕組まれている。自殺に注意しなければならない被疑者などをきちんと監視できる体制となっているのだ。被収容者用運動場というか運動できる場所もあるが,これまた狭い。担当者の話によるとたばこを吸う場所として使われる程度ではなかろうかと説明されていた。今までの取り調べの過酷な精神状況を迫られる条件は基本的に変わっていなかった。取調室は検察官用には広いものが準備されていて,絨毯の敷かれた検事控え室が準備されている。やはり検察官は別個の扱いのようである。rnrn留置施設がいくら新しくなっても,しょせん代用監獄である。本来警察がいつまでも被疑者の身柄を自分の手元に確保すべきでないことは当然である。この新しい施設によって,従来からの代用監獄廃止の方針に変化があらわれるべきではないが,そんな議論はない。従来検察官と対等であるべき被疑者、被告人がいつまでも捜査官の手元に留置されていつでも取り調べを受けるという実態は全く変わるものではない。この点は、弁護士にとっては事務所に近いところに施設ができたなどということに惑わされないで大いにアピールされるべきである。捜査官の手を離れて裁判を受ける1当事者として身柄を拘束する刑事施設の充実こそが必要である。このような近代的な留置施設を作りながら,本格的に捜査を同じその場で行おうとする弊害については全く触れられないことが問題であると思った。rnrn全体の施設について説明を受けた後,説明担当者から「お久しぶりです」と挨拶をいただいた。私のことをよく知っているということのようであったがどうも思い出せない。さらに会ってからもう40年以上経過しているとの話にいっこうに相手の状況がわからない。相づちをうちながらも話を合わせられないのである。よく聞くと私が高校生の時の寮生活をしていた時の1年後輩であったという。どうしても思い出せなかったが,どこで誰に会うかもわからない話の一つである。先輩後輩の序列が厳しかった生活ではあったが、私には後輩をいじめたような記憶はない。rnrn留置場を内部からこのように細部にわたって見たのは初めてである。この様子は,「それでもボクはやっていない」の映画のなかではリアルに出てくるようである。私はまだこの映画をみていない。これをみた長女,次女からはとてもできのいい映画だと是非みにいくように言われている。さらに次女からは最後の判決をながながと聞かせる迫力に感動したようである。早くみて感想を聞かせてほしいと言われている。業界関係者としては是非みたいとおもっているが,関係者外の人から是非見るようにといわれるとは,,,明日にでも観にいければいいと思っているが,,,,。

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